協力雇用主制度とは、
簡単に言ってしまえば、
元受刑者を積極的に雇用する事業主のこと。
私も3年後には協力雇用主になることを目指しています。
元受刑者が再犯を犯す主な理由の一つとして経済的理由があります。
そこで法務省も「再犯防止」のため、協力雇用主を増やしていくことを推進しています。
ところが、この協力雇用主制度の利用は限りなく低いんです。
(資料もとは2年前の産経新聞)
「協力雇用主は全国に約1万4千社あるが、実際に雇用しているのは約500社。」
*出所元:産経新聞(2015年6月23日)
http://www.sankei.com/affairs/news/150623/afr1506230038-n4.html
つまり協力雇用主に登録している事業主のうち、3.5%しか元受刑者を雇用していないんですね。
協力雇用主には元受刑者を雇用した場合、ひと月8万円、6か月間給付金が支払われます。
また、元受刑者が事業主に損害を与えた場合の国の補償もあります。
それでも実際には協力雇用主の制度は機能していないんですね。
なぜか。
これは元受刑者の社会復帰を支援しているNPO法人マザーハウスの五十嵐理事長によると「上から目線で雇ってやる」みたいな感じで雇おうとするからだそうです。
だから、元受刑者は誰も協力雇用主制度を利用したがらないのだと。
実際に、協力雇用主になっている建設会社の社長さんのお話も聞く機会があって、なかなか人が来ないのでどうしても、元受刑者の募集をする、とおっしゃってましたが、元受刑者を安く使おうという意図も少なからず感じました。
実際、建設会社は元受刑者を雇用するとポイントがあがりますから。
とはいえ、元受刑者もまた問題があり、そういう人を支援して、雇用し、中古の車も買い与えてやったところ、「トンズラ」してしまった、という篤志家の事業主の方もいました。
こういう問題はつまり、元受刑者が出所しても、それからの更生プログラムがないことも一因なんでしょう。
刑務所内では個々の受刑者に「矯正プログラム」が組まれますが、出所してからは社会復帰のための「支援プログラム」「更生プログラム」はありません。
少なからず、有志の方がボランティアで活動しているのみです。
犯罪の抑止力は厳罰化ではなく、おそらく、元受刑者の健全な社会復帰によってかなりの部分は達成できます。
ということで、私も微力ながら、こうした活動に参画していきます。
写真の花はスイートピー
花言葉は「門出」